INTERVIEW KM課長 総務企画部総務課
今まで経験した部署での仕事を教えてください。(経歴)
総務課〜保証部
入協時の総務課時代は、主に庶務、経理を担当していました。企画課(現企画デジタル課)では、統計や広報誌の作成をしていました。保証部でのメインは、保証審査です。
当時の保証協会は、今のように外に出ていく組織ではありませんでした。9割以上書類審査をしていました。その様な時代に、9人の選抜職員で「チームナイン」を作り、お客様への訪問を始めました。
税務調査と勘違いされたり「最後通告に来られたのでは?」などと誤解されたりしたこともありましたが、当時としては全国に先駆けた行動だったと思います。平成30年には、保証協会の仕事に「経営支援業務」が追加されたため、今でこそ顧客訪問は通常の業務になりましたが、先進事例として、全国の保証協会に向けた広報誌で紹介されたこともありました。
保証部時代には、中小企業診断士の資格取得のため、半年間、東京にある「中小企業大学校」で勉強をしていました。公募で、私自身30歳くらいで取得したいとの思いがありましたので、自ら手を挙げました。
経営支援部
当時の経営支援部は、誕生まもない部署でした。
金融機関OBやベテランの職員が集まる経営支援の分野でしたが「どんどん若手も入れていこう」との声があり、私も配属されることとなりました。
経営支援部は、お客様のところに行くことが仕事です。業績が好ましくない企業に出向き、改善点を探したり、アドバイスをしたりしながら保証協会としてお手伝いができる事は何なのかを考えてきました。
個人的には、一番やりがいを感じた部署です。
管理部管理課
保証や経営支援に関する知識やノウハウはある程度身につけましたが、様々な経営支援の手法が出てくる中で、さらに求められる知識が広範囲になっていることを感じていました。そこで、希望したのが管理課への異動です。
管理課は、残念ながら業績が上手くいかず、当協会が代位弁済(企業の代わりに金融機関に返済)を実施した先が対象となります。代位弁済後は、当協会とお客様との間で返済計画について話を進めます。
業務の中で印象に残っているのは、銀行から取引停止となり、お金が返せなくなった状態でも事業を継続していた企業を復活させたことです。
非常に難しいことですが、経営支援や保証の経験を生かし、取引銀行との協議の上、再チャレンジの支援ができた案件については、最も記憶に残っています。
現在の仕事内容を教えてください。
現在は、管理職として戻ってきたこともあり、課全体のマネジメントを行っています。
当協会には、人事課、経理課などの区分けがありません。そのため、人事、経理、資産運用、庶務など幅広い仕事を管理しています。
保証協会の経済危機時における中小企業金融の中で果たす役割を教えてください。
信用保証協会は、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)が不足しがちな、中小企業・小規模事業者の「公的な保証人」となり、金融の円滑化を図る役目を果たしています。
平成10年、金融機関の貸し渋り対策として「金融安定化特別保証」が実施、平成20年には、リーマンショック、令和2年には新型コロナウイルス感染症と、おおよそ10年の周期で金融危機・経済危機が訪れています。その度に、存在感を発揮してきたのが信用保証協会です。中小企業者にとって資金繰りは生命線であり、経済危機、金融危機となればなおさらです。
今回の新型コロナに関しては、過去最高の保証債務残高となりました。
データでは、滋賀県にある企業の約半数が、保証協会を利用されたこととなります。
協会あげての対応により、厳しい経営環境におかれた中小企業・小規模事業者に対し、迅速で積極的な金融支援に取り組みました。保証協会の取り組みや各種支援策の効果もあり、倒産件数は低水準で推移し、地域の雇用も守れたと考えています。
管理職になってから感じる苦労やうれしかったこと(部下の成長など)を教えてください。
私が管理職として配属になったのは、管理課と総務課であり、両課とも経験や知識が豊富な訳ではありませんでした。慣れない部署のため、課員に助けられている部分がとても大きいです。
その上で、管理職として、課全体の目標・成果に目を向け、課員一人一人の様子にも気を向けることを心がけています。ただ、総務課はミスを回避する仕事に取り組むため、「できて当たり前」が求められます。毎月の給与振り込みも、ミスなく行われて当たり前です。
モチベーションを上げる難しさがありますが、効率化が図れる取り組みや改善方法などを挙げてもらうなど、課員には、さまざまな工夫に取り組んでもらっています。
管理職としてマネジメント面で大切にしていることを教えてください。
もしも私が経験や知識の豊富な保証部、経営支援部などで管理職になっていたら、おそらく失敗していたでしょう。これまで自分がやってきたことと比較し「なぜできないのか」と責めたり、課員に任せずに自分で何もかも抱え込んでいたりしたかもしれません。
しかし、今は、知識も経験も豊富な課員を信頼し、任せることを心がけています。私自身、保証部配属の頃に、仕事が理解できずに辛いと思った時期がありました。しかし、一生懸命に取り組んでいると、点が線になり面になっていく様に、ふと、様々なことが繋がり、理解できる時期が訪れてきます。だからこそ、私は仕事を続けることができました。当時の上司が「自分の考えで好きにやれ。もし、何か問題があったとしても、自分(上司)が責任を取る。」と言ってくれたことも大きいです。
言葉通り、私の判断で対応した案件に対して、その後、支店長から上司あてに再確認の電話があった際には「担当が言ったとおりです」と伝えてくれていました。自分は間違っていないと、安心して仕事に取り組めたことや一層の責任感が芽生えたことを覚えています。
この経験が、自分の価値観を押し付けないこと、そして、今部下に対して「自分の考えで自由にやっていい」と言えるマネジメントにつながっていると思います。
働きやすさ、福利厚生などの面で、滋賀県信用保証協会が良いと思われる内容を教えてください。また、保証協会の魅力、雰囲気を教えてください。
研修制度の充実
私自身、中小企業診断士の資格取得のため、上部団体の連合会が主催する研修に参加させてもらい、診断士を目指す全国の協会職員と一緒に切磋琢磨しながら勉強する機会が得られました。また、一次試験合格後は、半年間東京の中小企業大学校に通わせてもらいましたので、かなり良い研修制度だと感じます。また職位別の研修も充実しています。
今はオンラインでの研修も増加しましたが、全国各地から東京に仲間が集まり、研修に参加していました。懇親を深めることで、全国に知人ができます。各都道府県の協会はそれぞれ独立して運営していますが、仕事内容は同じです。初対面でも話しやすく、それぞれ地元に戻ってからも、仕事の話で連絡をとることも多々あります。
当協会は小規模のため、同期の人数は多くありません。ただ、研修を通じて各地の協会の職員とのつながりが生まれるため、全国に同期や先輩後輩がいるとも言えます。
働きやすい環境
イクボス宣言、ワーク・ライフ・バランス企業への登録、滋賀県女性活躍推進企業の認証制度の二つ星取得などからもわかりますが、当協会では働きやすい環境の整備を進めています。
女性管理職の比率が高いこと、平均勤続年数の男女差がほとんどないこと、産業別女性平均勤続年数が金融業界の平均を大幅に上回っている点も、結婚・出産・育児を経ても働き続けられる職場環境であることを表しています。
これから滋賀県信用保証協会に入りたい方へメッセージをお願いします。
信用保証協会の名前を聞いて「あ、知っている」と思う方は、正直少ないと思います。最近では、コロナのゼロゼロ融資などのニュースで目にした方がいるかもしれませんが、知名度があるとは言えません。
しかし、信用保証協会は公的機関として中小企業施策の重要な一翼を担っています。「地域経済の発展に貢献したい」「滋賀県が大好き」「初めて存在を知った」「名前だけは聞いたことがある」など、どのような方も、これを機に滋賀県信用保証協会の仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。
職員採用に関しては、1DAY仕事体験や説明会、若手職員との座談会なども企画しています。リアル開催を予定していますので、ぜひ一度協会にお越しいただき、職場の雰囲気を肌で感じ、職員の働く姿を見てください。「雰囲気が合いそう」「一緒に働いてみたい」と感じた方からのエントリーをお待ちしています!